top of page

カトマンズのスラム(テクのスクンバシ)Part.1

ネパールでは、貧しい人々が暮らす集落(スラム)を「スクンバシ」と呼ぶ。

貧富の差がとても激しく、カトマンズに軽く数億はする豪邸を建てている人もいれば、劣悪な環境でその日暮らしを余儀なくされている人々も大勢いる。

その中で特に貧しい人々は、スクンバシに小屋やテントを建てて暮らしているが、カトマンズで、比較的大きなスクンバシは大きく分けて2つある。

パタンにほど近い「テク」そして、空港近くの「ジャディプティ」にあるのが、そのスクンバシだ。

まずは、テク周辺のスクンバシを紹介したい。

「ダサラトゥ競技場」と「United World Trade Center」のあるY字路を左手、つまりは競技場側(カンティパス)ではなく、ワールドトレードセンターの建物が伸びている方向の道(トリプラマルグ)を西方向に10分ほど歩けば、タイヤやヘルメット等、自動車・バイク用品を売る店が多く並ぶようになってくる。

そして向かって左側にいくつか道が見えてくるが、それを曲がり真っすぐ進むと、バグマティ川沿いに出る、もうそこはテクの一角「テクガート」だ。

この周辺は、ほぼカトマンズの中心部にありながら、多くの古い寺院と建物が比較的多く残っており、喧騒から離れ、とても静かで古き良きカトマンズを忍ばせる一角となっている。

地震でダメージを受けた建物も多いが、そうでもないものもあり震災後も未だその魅力は色褪せない。

バグマティ川の上流方向に歩いて行くと、やがて右側にナラヤン寺院が見えてくる。地震の前には立派な長屋門があり、人々がそこに住んでいたのだが、地震で半分近くが崩れてしまった。

地震前の美しいナラヤン寺院の長屋門

地震前の美しいナラヤン寺院の長屋門

震災1か月後の長屋門、ナラヤン寺院が丸見えになってしまった

震災1か月後の長屋門、ナラヤン寺院が丸見えになってしまった

これは昨年の9月に写したもの、寺院につっかえ棒が追加されていた

2016年の9月に写したもの、寺院につっかえ棒が追加され、瓦礫も少し撤去されていた

だが、幸いにも崩壊したのは長屋門の半分ほどだけで、中のナラヤン寺院は多少のダメージはあるものの、倒壊することなく静かに佇んでいる。

バクタプルのニャタポラ寺院もそうだが、やはりマッラ王朝時代のネワール建築の五重塔、三重塔と呼ばれるこの建築様式は地震でもダメージはそれほど大きくはなく、とても頑丈だ。

このテクガート付近ではマッラ王朝時代の見事な彫刻や建築様式、ラナ王朝時代のパゴダ等、多数の文化的建築遺産がそこかしこにある。

観光客など、まず訪れず静かで豊かな時を過ごすことが出来る貴重な空間だ。

ナラヤン寺院の中に入れば、数百年の時がそのまま止まったような錯覚に陥る。カトマンズ中心部にありながら、静寂な時が流れるここは、時折寺院でバンジャンと呼ばれる演奏が見られる以外、人通りも少なく、古き良きカトマンズを偲び、自らの人生を顧みることができる。

Part.2に続く

関連記事

すべて表示

​~関連記事~こちらもおススメ!

https://www.mayamayanepal.com
  • Twitter
  • Facebook
RSS Feed

下記の日付は大使館からの発表日です

後でもう一度お試しください
記事が公開されると、ここに表示されます。
bottom of page