ネパールでのベストなバイク選び
日本では、言わずと知れたホンダ・ヤマハ・スズキ・カワサキなどの日本のバイクメーカー。
ネパールでも日本のメーカーはもちろんのこと、インドや中国・台湾製に欧米製のバイクも売っている。
特にメインストリームとなっているのは、日本のメーカー及びインドのメーカーのバイクだ。
ネパールの若者たちの間では、バイクは女の子にモテるためには必須アイテムの1つで、裕福層の若者は200万円以上もするイタリア製のDucatiを乗り回している人もおり、私がオンボロスクーターに乗っていると「日本人なのになんでそんなボロに乗ってるんだよw」と笑われたことも。
私のオンボロな愛車「マヒンドラ」のFlyte
大きなお世話だが、このオンボロスクーターで何度もパンクや故障を経験しながらもネパールの30%近くは制覇したのだ。我ながらよくここまで維持したものだと思うが、そろそろ新しいのが欲しくなってきた。
ネパールでは短距離の移動でも、行き交う大型車やバスの真っ黒な排気ガスを浴びて走ることになり、乾季になると土埃も多くバクタプルからカトマンズまでの20分程度の距離でさえ、明るい色の衣服はあっという間に薄汚れてしまう。なので、服を汚したくなければウインドブレーカーなどが必須だ。
ガソリンスタンドや、ペットボトルに入れたガソリンを売る店が無い道を長距離走る際には、タンクに満タンにしただけでは足りないので、ガソリンの入ったペットボトルを数本携行して走らなければならない。
また僻地で修理が必要になったこともあるし、パンクして修理したら数キロも走らないうちにまたパンクして修理店に引き返したりもしたが(路上に細くて短い鉄線やネジが落ちていることが多く、日本と比べるとパンクする頻度は非常に大きい)現地のネパールの人々が手を貸してくれたおかげで、いつも目的地に無事に到着し、大きな事故にもあわずに今日もなんとか五体満足で生きている。
夏に酷暑の南ネパールのタライ平原を走れば、まるでドライヤーの熱風を常に浴びているような状態で、格安ゲストハウスにほうほうの体で辿り着いて水シャワーで体を冷やそうとしても、ほとんどのゲストハウスでは屋上に水タンクがあり、出てくるのは太陽光と酷暑の気温で熱せられた体温よりも高いお湯だ。 そのため、満足に体も冷やせず熱中症寸前の身体から30分近くも滝のような汗がとめどなく出てきた時は、流石に命の危険を感じた。
そんな散々な目にあってきた私から、あなたがネパールでバイクやスクーターを買ったりレンタルする際に失敗しないメーカー選びを助言したい。もしあなたがネパールに移住するのであれば、バイクは必需品と言っても過言ではなく、バイクがあると世界が一気に広がることを付け加えておこう。
ネパールのような途上国でバイクでの快適な旅をするには、故障の少なさ以外にも、へき地でもどこでも簡易に修理パーツが入手できることが重要項目となる。
途中で故障して、ひいこら押してやっとの思いで辿り着いた山村に1軒しかない修理屋で「このパーツは町に行かないと無いよ」と言われたらあなたはどうするだろう?
近くの町まで、滅多に来ないバスに乗って数時間かけてパーツを探しに行かなければならないことになる。ネパール語が話せるなら、これぐらいのことは早く解決できるが、やはり余計な手間は避けたい。
行きつけの修理屋を作っておけば、何かと頼りになることも多い
ネパールでバイクを選ぶなら、お勧め順に「ホンダ」次点で、長期間ホンダと提携していたインドのメーカー「ヒーロー・モトコープ (Hero MotoCorp)」そして「ヤマハ」となる。
ホンダなら、かなりへき地の山村でもパーツはよく揃っており、変速機の内部など変な部分が壊れない限りは、それなりにパーツ在庫がある修理店であれば、ほぼその場で修理対応が可能である。この辺りは流石ホンダと言うべきで南アジア全域においても他の追随を許していないし、信頼性も高く堅牢だ。
そして次点のヒーローモトコープのパーツも比較的よく揃っているし、長期間ホンダと提携していたおかげで(提携当時はヒーローホンダという社名だった)他のインド製バイクよりも耐久性は遥かに上だ。
ヤマハも次いで比較的パーツはよく揃っている。ただしヤマハはスクーターのパーツよりも、バイク用パーツのほうが充実している傾向がある。
「Bajaj」はヒーロー・モトコープを除いた他のインドのバイクメーカーのうちでは比較的まともでパーツも入手しやすいが、お世辞にもホンダと比べると丈夫とは言い難い。
またヒーローモトコープを除くインドメーカー製バイクの特徴として、ピストンリングやクラッチシューなどの消耗部品の寿命がやや短く、少し早めに交換する必要性があり、メンテナンス費用が掛かる傾向にある(安い社外品の修理・消耗品パーツよりも純正品を使ったほうが長持ちはする)。
私の愛車は「マヒンドラ」というインドのメーカーで、小物入れも充実し、メットインスペースも広くて重宝しており町には修理パーツはそこそこあるものの、僻地に行くとパーツを見かける頻度がぐっと下がる。
「TVS」や「LML」「ロイヤルエンフィールド」など他にも多くのインドのバイクメーカーはあるが故障頻度も含め、やはり日本のメーカーにはまだ一歩及ばずといった部分が多い。 また、他の日本メーカーの「スズキ」と「カワサキ」は、インドの中堅メーカーよりもパーツを見かける事が少なくお勧めはしかねる。
ネパールでは道路事情が悪く走行距離比では、日本の約3倍の速度でバイクが傷むため、こまめなメンテナンスが必要になる。馴染みの修理屋を作って店主と仲良くなれば、バイクで困った時にとても頼りになるだろう。
苦労も多いが、とても楽しいネパールでのバイクツーリング、特に雨季前の新緑の頃と初秋はおススメだ。
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