日本に来るネパール人はどのような人々なのか

数年前まで、日本に留学するには日本語学校やブローカーに払う費用を含めると、約120万円ほどが必要だった。だが、最近では60~80万円ほどが相場のようだ。

私の甥っ子が1人、6年前に来日し今年大学を無事に卒業して日本の企業に就職したのだが、現在は彼が来日した当時よりもネパール人が日本に来ることが、かなり簡単になっていると言っていた。

インド・ネパール・バングラディシュの学生たちを招待してJUAANとSAFJUAAが主催し、外務省と 日本政府のバックアップによりカトマンズのエベレストホテルで行われた、南アジア日本語スピーチ大会

インド・ネパール・バングラディシュの学生たちを招待してJUAANSAFJUAAが主催し、外務省と

日本政府のバックアップによりカトマンズのエベレストホテルで行われた、南アジア日本語スピーチ大会

このように、以前は費用面で中流層以上の若者しか日本に留学することは難しかったが、ここ数年は、EUやアメリカ、オーストラリアなどの他先進諸国に留学するよりも、かなりリーズナブルになっている。

もちろんこれは日本政府の方針でもあり、在ネパール日本大使館や外務省などが主導し積極的に写真のようなイベントを行い、ネパールの若者たちに日本に興味を持ってもらおうと必死になっている。

私も一時期、ネパール人の知人が経営しているカトマンズの日本語学校で臨時日本語教師を依頼され短期間教えていたのだが、ネパールの上流層を占めるバウン族は少なく、チェトリやネワール、タマン、ライ、リンブーなどの中流層の子息が多かった印象だ。

60~80万円ほどであれば、ネパールの中流層のうち下位に属する家庭でも比較的準備や借金しやすい額であり、近年来日するネパール人が増えたのもこういった背景が後押しをしている。

以前は「日本が好きだから」という理由で来日するネパール人が大半を占めていたが、これほど必要な経費が下がってくると「他の先進諸国に行くのは高いし、とりあえず日本が安いから行ってみよう」という人々が今後も増えていくだろうし、また、人手不足になっている日本では経団連などの経済団体の要請により、以前よりも求められる学歴やJLPT(日本語能力試験)のスコアも緩和されていくだろう。

既に中流層以上の家庭の若者は、日本よりももっと稼げるオーストラリアやアメリカを目指す人が増えてきているのが実感だ。前述した甥っ子と同時に来日したネパール人の若者は、日本滞在2年弱で早々に日本に見切りをつけてアメリカに行ってしまったし、オーストラリアに留学して1年で800万円を稼ぎ、母国ネパールに土地を買った若者も知っている。ちなみにその土地はもう1千万円に値上がりしており、ネパールの若者の間では海外で稼いでネパールの土地に投資するといった様相も見られるようになってきた。

ネパールでもグローバル化とインターネットの普及により、FacebookなどのSNSで世界中に住んでいるネパール人たちがどういった環境で生活し働いているかという情報が、ネパールに居ながらにして手に取るように分かるようになってきたし、既に他の先進諸国と比べた日本の給料の低さや、過労死など労働環境の悪さも知られつつあるのが実情だ。

また、日本にいるネパール人の人材ブローカーを1人知っているが、様々な甘言でこういったネパールの人々を日本に誘い込もうとし、金の亡者で自分の事しか考えない人間で、来日するネパールの人々を金づるとしか見ておらず、とても残念な思いをしたことがある。私が某掲示板で来日したネパール人の自殺者が多いことを指摘し、そういった人々のケアを彼のようなブローカーがどう考えているのかを問いただしたところ、彼が言い放った言葉を本人の名前だけ削除してそのまま以下に引用する。

あなたもマンパワーは美味しい仕事だと思うだったら、自分ですればいいですし、好きではなければやらなければいいですし、後は糧にすると言うことですが、私も自分の仕事ですからね。あなたはただで働けますか?在ネパール日本大使館の領事に日本国から1千万円の補助金と事業を任せてくれば、私は奉仕活動で頑張りますと言いましたが、お金はくれないんですよ。私から考えれば、日本国は私に1千万円出して、あなたはネパール人の無料で面倒をみる役割ですよと認定してくれれば、企業様からの5千円の管理費で大満足して活動しますよ。