日本人が想像するよりも、遥かに豊かなネパールの中間層
時折、Yahoo知恵袋などで、ネパールの物価や滞在費、一生住むにはどれほどの金額が必要なのか?
などを質問している人がいる。
中には、100万円で一生暮らせますか?という質問もある。
ネパールを訪れたことのない方には、これは無理もない話だろう。
ネットで検索すれば、何より物価が安い国のベスト3にあがるのがネパールだからだ。
確かに昔は衝撃的に安かった。だが、近年の怒涛のインフレと経済成長により他でも書いたが
日本の経済が長期間停滞しデフレだった間に、ネパールと日本との物価差は急速に縮小している。
物によれば、既に日本のほうが安いものもちらほらと出てき始めた。
だがそんな中、これほどのインフレをものともせずに経済成長の波に乗り、旺盛に消費を拡大させているのがネパールの中間層だ。
ネパール、特にカトマンズを初めて訪れた人は、最貧国のひとつに数えられるネパールが、イメージしていた環境とは全く違う、特に中間層の人々の豊かさに驚かされることだろう。
最早カトマンズでは1億円の資産を持っていても、上位の裕福層とは見なされることはなく、上流の下か、中流の上ぐらいの地位となる。結婚式で数十万~数百万円を軽く使う中間層の人々も増えてきており、楽隊を大勢呼んで派手に行われる結婚式を以前よりも多く見かけるようになってきた。
これが裕福層ともなれば、1千万円を超える金額を使う人もいる。
パーティパレスと呼ばれる貸しパーティー会場が、そこかしこに出来たのも、ここ10年ほどである。
パーティパレスと呼ばれる貸しパーティー会場、この10年で雨後の竹の子のようにあちこちにできている
パーティパレスの立派な内装
上流層は星付きの超高級ホテルで披露宴をすることも増えてきているが、中流層はパーティパレスのパーティ会場で着飾って豪華な食事を、招待客とともに楽しむ事が多い。
パーティパレスで準備された美味しそうな食事、ほとんどのパーティパレスでの食事はバイキングスタイルだ
パーティパレスの休憩室にて、豪華なソファに座る中流層の子供たち
また自宅でパーティや結婚式をするために、ケータリングといって自宅まで食事を作りに来てくれて、数十人が一度に食事をすることができる広さの天幕まで設営してくれるサービスもあるのだ。
自宅まで来てくれるケータリングサービス。スタッフが食材や調理器具持参でその場で調理してくれ、食器や椅子、食事をするための屋根付きテント、パーティ用の音響機器まで準備してくれる
郊外の村で行われた結婚式の招待客たち、特に年配の女性は赤いサリーが大好きだ
新郎新婦には、親族や招待客から多くのプレゼントやご祝儀が手渡される
裕福層は、大勢の楽隊を呼んで派手に行う、右の車は結婚式を挙げる寺院に向かう新郎新婦が乗る車
結婚式の写真や動画撮影をするカメラマンを雇うのも最近の流行だ
少子化や非婚化街道一直線の日本と比べ、このような結婚式は、毎日のようにネパール各地で見ることが出来る。国民の平均年齢が20代前半という、婚姻ビジネスも花盛りのネパール、中国とインドに挟まれた経済圏のネパールは、小国でありながらも両国と周辺アジア諸国の経済成長に牽引され、これからも中流層の勢いはとどまることはないだろう。
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