南アジア風味なキャンディ(Hajmola)

ネパールの雑貨屋(駄菓子屋兼、軽食屋兼、茶屋)には、不思議なものが多い。
ちょっと郊外に行くだけで、紐に吊るして売っているスナック菓子の袋に、黒い色をしたゴマ粒の半分ぐらいの大きさの汚れが沢山ついていたりするのだが、実はこれ、全てハエの糞である。
ネパールにはハエがとても多く、タメルなどの中心部では見かける事は少ないが、特に夏になると少し郊外に出れば、そういった店の残飯目当てに店の中をブンブン飛んで、吊るしてあるスナック菓子の袋などで羽を休めていることがあり、そこでハエが糞をして汚すのだ。
そんな店の店主にチヤを1杯頼んでから、その道端の土埃とハエの糞で汚れたスナック菓子をおもむろに取って袋を開けて、手も洗わずにチヤと一緒にぱくつくようになれば、あなたも一人前のネパール通だ。時折チヤに飛び込んでくるハエもご愛敬、指で取ってまたそのまま飲めば良い(マネしちゃダメですよ)そんなことをいちいち気にしていれば、ネパールでは住めないのだ。
だがそんな生活をしていると、下痢までいかなくてもちょっと胃がもたれたりお腹が重くなったりすることも。そんな時にこういったどこにでもある雑貨屋に、キャンディ類と一緒に並んで売っているものがある。
Hajmola(ハジモラ)は、インド最大のアーユルヴェーダ関連企業であるDaburが製造し、ネパールを含めた南アジア全域で販売している有名なタブレットだ。アーユルヴェーダ医学に基づいて作られた胃薬のようなもので、インドでは毎日2600万錠が消費されているという化け物商品だ。
ネパールの子供たちはこれが結構好きで、時折私にもくれるのだが、初めて食べた時には説明のしようがない、あまりにも未知で不可思議で刺激的な味に、思わず吐き出してしまった。

袋を開けた中身、茶色いタブレットが入っている
Hajmolaは様々な生薬から作られており、消化を助け、消化不良や腹部膨満感に効果があると言われている。レギュラー味以外にも、Nimbu(レモン)Imli(タマリンド)Pudina(ペパーミント)Amrud(グアバ)Anardana(ザクロ)などのフレーバーがあるが、レギュラー味以外の味はあまり見かけることは無く、またそのどれもが黒コショウと塩が入っている。
また、どうしてもこれが苦手な人には、キャンディタイプの甘いHajmola Candyというものがあり、上記のHajmolaタブレットと同じ効能があるようだ。Albela Aam(マンゴ)とChulbuli Imli(タマリンド)など、いくつかの味があるのだが、タブレットよりも見かけることは少ない。
ネパールの人々の味覚を理解したいなら、どこにでも売っているので一度食べてみることをお勧めする。
あなたは、この不思議な味のタブレットを、吐き出さずに完食出来るだろうか(笑)?
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